北海道で6番目に人口の多い都市「釧路」。
世界三大夕日のひとつが見られる街だそうで、夕日が沈む頃になると、釧路川に架かる「幣舞橋(ぬさまいばし)」には、多くの観光客が集まり、その瞬間を今か今かと待つらしい。

そんな幣舞橋のすぐ近く、繁華街「末広町」には、雰囲気のよさげな酒場がちらほら点在していて、だいたいのお店は17時にヨーイドンで一斉にオープンする。
この日、夏至直後の日没は19時過ぎ。せっかくなら世界三大夕日を拝んでみたい気もあったけれど、おじさん一人で黄昏てる場合じゃないなと思い直し、17時から全開でハシゴ酒に勤しむことに。
釧路「つぶ焼き かど屋」
繁華街の入り口に店を構える、釧路名物「つぶ焼き」の名店「かど屋」さん。その名の通り、しっかりと“角”に腰を据えた、1966年(昭和41年)創業の、ちょっと変わったラーメン屋さんだ。

昼間は人通りの少ない釧路の街も、17時になるとどこからともなく人がワラワラと溢れ出してきて、開店早々に満席になる人気ぶり。
一直線のカウンターにテーブルが3島。メニューは、つぶ貝の焼き「つぶ焼き」とラーメンのみという、潔い超ストロングスタイル。大将らしき男性が黙々と、ひたすらつぶ貝を焼き続けている。

瓶ビール
まずは気分が上がる、サッポロクラシックラガーの中瓶からクラウチングスタート。

つぶ焼きの到着を待つ。
つぶ焼き
やってきたのは、アチチなつぶ貝が5つ。素手で持つとびっくりするほど熱いので、厚めに折った紙ナプキンでつまみ、スープをすすりながら、爪楊枝で身を取り出していく。

タモ材で作られたオリジナルの下駄(皿)に並べられた貝を順に取り出し、貝の内臓をエンド部分まで引き抜けるか、まるでゲームのような感覚で挑んでいく。
全部きれいに取り出せたら勝ち、途中でちぎれたら負けの五番勝負。もし切れてしまっても、貝を垂直にトントンと下駄に叩きつければ、焼き付いた内臓の残りがポトリと落ちてくる。出汁を飲み干したら次の戦いへ── そんな、楽しくて平和な戦いが店内のあちこちで繰り広げられている。

ごちそうさま
結果は1勝4敗!しっかりとアウェーの洗礼を食らったが、緊張感のあるいい戦いだった!美味しい出汁も最後まで飲み干してノーサイド!
釧路の夜は、毎晩この五番勝負を繰り返したくなる——そんなエンターテインメント性にあふれた、最高の酒場でした!


メニュー


お店情報
つぶ焼 かど屋
時間:17:00~24:00
定休:日曜
住所:〒085-0013 北海道釧路市栄町4丁目1

コメント